2018年度のものづくり補助金(平成29年度補正予算「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」)の一次公募の採択結果が、先日6月29日に発表されました。
応募総数17,275者に対し、約55.1%の採択率、実に半数以上の9,518者の補助事業者が採択される結果となりました。
採択された企業のみなさま、おめでとうございます。
そして残念ながら不採択となってしまった企業のみなさま、本年7月中に二次公募が開始される見込みとなっています。
既存ビジネスのブラッシュアップ、新規ビジネスの優位性・革新性・実現可能性等、あらためて一次公募の申請内容を見直して、戦略軸やコンセプトを再確認した上で、再度新たなチャレンジをしていきましょう。
補助金活用の「前」のはなし ~事業を見つめ直す良いきっかけ~
個人的な考えとして、補助金の活用は、「自社の事業を棚卸する機会」、「未来の想像や創造のための機会」を得る「良いきっかけ」になる、と捉えています。
日々、目の前の業務に忙殺されている中で、一度立ち止まって考えてみる。
自社のこれまでのビジネスモデルや諸々の問題・課題の整理と解決策の検討、あるいは新規ビジネスのアイデア出し、将来の展望に思い巡らすといった、いわゆる「企業の未来につながる諸々の考え事」をしてみる。
「補助金活用」は、そうした時間を半ば強制的に確保するための「良いきっかけ」になると考えています。
ただ、一方で世間的にみたら補助金や助成金などは、とかく「ばらまき」と揶揄される施策です。大勢を占める一般的な解釈かもしれませんね。
たとえば「ものづくり補助金」を例にとれば、審査を通る必要はあるものの、20ページ程度の事業計画と直近2期の財務諸表のほか、定款等の必要書類、「経営革新計画」や「経営力向上計画」の認定実績がある場合はそれらの書類を準備して提出するだけで、税金を財源とした返済不要のお金が最大で1,000万円程度交付される制度です。
課税対象になる上、煩雑な手続きを経る必要があるとはいえ、いわば「降って湧くお金」の類ですね。
とはいえ、「お金」という実利だけでなく、「考える時間をつくる良い機会」ととらえて補助金を有効に活用すべきと思います。
「普段から考えてるよ」といわれる方でも、補助金申請の過程で作成する事業計画書に考えていることを落とし込み、実際に文字や図にして頭の中の構想を見える化してみると、あらためて思考の整理ができたり、新たな気付きが得られるはずです。
実際に手を動かして頭の中を書き出してアウトプットするって、やっぱり大事なんですね。
補助金活用の「先」のはなし ~結果にこだわる~
補助金活用の「前」のはなしが「自社の事業を見つめ直す機会」とすると、実際に交付決定された後の補助金活用の「先」のはなしは、どういったことが考えられるでしょうか?
「目的思考」で考えれば、補助金や助成金でお金を得ることはあくまでも手段であって目的ではありません。
当たり前のことですが、得たお金で既存事業の改革・改善、あるいは新規事業を立ち上げて、「売上をあげる・利益をあげる」ことが本来の目的です。
この「売上をあげる・利益をあげる」という、本来の目的達成にこだわる、「結果にこだわる」ことがとても重要だと思います。
煩雑な申請手続きの先に待っているもの。
事業計画を研ぎ澄まし、その実行へのコミットを強めるためにも、「補助金・助成金を得ること」を手段として捉え、あくまでも「本来の事業での成果・結果にこだわる」。
私自身も常に意識していきたい点です。
まとめ
「補助金・助成金」をお金がもらえるという視点だけでなく、
事業を見つめ直す良いきっかけ
として活用し、
「売上をあげる・利益をあげる」という結果にこだわる
常に意識していきたいですね。